
社史制作は、企業の価値や歴史を形にする、重要な取り組みです。
今回は、社史制作の基本的な流れについて、プロの視点から詳しく解説します。ブランディングの視点からも重要なこのテーマは、企業の内外のステークホルダーへのメッセージングや、組織の一体感を高めるツールとしても大いに役立ちます。
その具体的なステップについて、一緒に見ていきましょう。
社史制作の基本的な流れ

社史制作は、深い理解と慎重な準備が必要なプロジェクトです。その基本的な流れは、準備フェーズ、データ収集、制作フェーズ、そして完成後の活用の4つに分けられます。それぞれのフェーズでは、異なるスキルや専門知識が求められ、最終的な社史の品質に大きな影響を与えます。それぞれの詳細について解説していきます。
ポイント
- 準備フェーズ
- データ収集
- 制作フェーズ
- 完成後の活用
準備フェーズ
目的設定
社史制作の最初のステップは、その目的を明確に設定することです。社史はただ過去を振り返るだけではなく、企業のビジョンや価値を再確認し、社内外に伝える強力なツールとなります。
社史の目的は、企業のブランドイメージの強化や、社員の一体感の向上など、さまざまな形で現れることがあります。そのため、最初に目的を明確に設定することは、その後の全ての活動の指針となります。ブランディングについては、こちらの記事をご覧ください。
計画立案
次に、計画立案が重要なフェーズとなります。社史制作は、時間とリソースを要する大きなプロジェクトであり、計画的に進めることが必要です。具体的なタイムラインや予算、責任者の指定、外部の協力者(たとえば、ライターやデザイナー)の選定など、具体的な計画を立てましょう。
この段階でしっかりと計画を立てることで、後々の作業をスムーズに進めることができます。
内部コミュニケーション
最後に、社史制作の目的や計画について、関係者全員が理解し、協力するための内部コミュニケーションが重要です。社史は企業の"物語"であり、その全てのステークホルダーが参加し、一体となることが求められます。そのため、このフェーズでは、社史制作の取り組みを全社に伝え、参加と協力を呼びかけることが重要です。
企業内部における社員のコミュニケーションの活性化方法については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
データ収集
次に、社史の中核となるデータ収集のフェーズに入ります。この段階では、企業の歴史や背景、重要な出来事や人々に関する情報を収集します。データ収集の方法は、文書の調査、過去の報告書の分析、重要な関係者へのインタビューなど、多岐にわたります。
インタビュー
特に、インタビューは、社史の色彩を深め、一貫性のあるストーリーを作り上げる重要な手段です。創設者や長年の従業員、重要なクライアントなどから直接話を聞くことで、事実だけでなく、その背後にある感情や思い出を伝えることができます。
ここで得た情報は、単なる年表以上の、生き生きとした社史を作り上げるための貴重な素材となります。
アーカイブ調査
そして、企業のアーカイブを調査することは、歴史の深層を探るための重要なステップです。過去の報告書、写真、新聞の切り抜き、メール、内部文書など、企業がこれまでに生み出した様々な文書や資料は、その歴史や文化、価値を反映しています。
これらの資料を丁寧に分析することで、企業の歴史を理解し、社史の中に反映させることが可能となります。
制作フェーズ
ライティング
このフェーズで、情報の整理と解釈を元に社史の内容のライティングを行います。
この段階では、読み手が理解しやすいように、情報をストーリー化することが重要です。そのためには、事実だけでなく、人間のエピソードや感情を巧みに描くことで、読み手の共感を引き出すことが大切です。こちらの記事では、マーケティングを交えたライティング方法をご紹介しています。
レイアウト
ライティングが終わったら、次はレイアウト作業です。文章だけでなく、写真や図表、装丁なども含めたページ構成を考えます。これは読み手の視覚を刺激し、理解を深める重要な要素です。
どんなに素晴らしい内容でも、見た目が乱れていたり、読みにくいレイアウトではその価値を十分に伝えることができません。
校正
最後に、完成した社史は必ず校正を行います。誤字脱字はもちろん、情報の誤りや文章のつながり、レイアウトの見直しなどを行います。また、他の人の目で見てもらうことで、気づかなかった問題点を発見できることもあります。
完成後の活用
社史が完成したら、それをどのように活用するかが重要となります。
PRツールとしての活用
社史は企業のPRツールとして外部に対する情報発信に活用することが可能です。
それは企業のアイデンティティや文化を象徴する素晴らしいツールであり、クライアントや顧客、パートナーなどに対して企業の歴史や哲学を理解してもらう手段となります。例えば、記念日や周年イベントなどで社史を発表することで、メディアへの露出を増やすことも可能です。こういった機会は企業の価値を再認識し、さらにその価値を広く伝える絶好の機会となります。
内部教育としての活用
また、新入社員のオリエンテーションや研修の一部としても活用できます。新入社員に企業の歴史や価値観を理解させることは、社員が組織の一部として働く上でのモチベーションやアイデンティティ形成に重要です。組織全体としての一体感を強め、企業文化を育む上で有効な手段となります。
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社史制作の効果

社史制作とその活用による具体的な効果は数多く存在しますが、その中でも特に注目すべき3つを挙げてみましょう。
ポイント
- 社員のモチベーション向上
- マーケティングへの活用
- 採用活動をサポートする
社員のモチベーション向上
第一に、社員のモチベーション向上が期待できます。
企業の歴史や価値を理解することで、従業員は自身の役割や業務の重要性を理解し、より一層の業績向上につながります。
従業員満足度に関しての詳しい記事はこちら
マーケティングへの活用
第二に、社史制作はマーケティング手法として活用できます。具体的には、企業のブランドを強化し、顧客や取引先への信頼性を高めるための一つの手段となります。
ブランディングとマーケティングについての記事はこちら
採用活動をサポートする
最後に、社史制作は企業の採用活動をサポートする強力なツールとなります。
社史を通じて企業の成長や価値、理念を伝えることで、優秀な人材を惹きつけ、採用コストを削減することが可能です。採用戦略について詳しくはこちらの記事で解説しています。
社史制作におけるポイント

社史は企業のアイデンティティを形成し、過去の成果を記録する重要な資産となります。
以下に、社史制作において重要なポイントを詳述します。
ポイント
- 対象期間と範囲の設定
- 適切な情報源の選定
- 事実を基にしたストーリーテリング
- 企業秘密やプライバシーの保護
対象期間と範囲の設定
ポイントの一つ目は、対象となる期間と範囲を明確にすることです。
会社の創業から現在までを対象にするのか、それとも特定の時期やイベントに焦点を絞るのかを決定する必要があります。この設定は、社史の目的や読者の関心に基づいて行うと良いでしょう。
例えば、企業のマイルストーンや特定の業績に焦点を当てたい場合、その範囲を狭めて詳細に記述することが求められるでしょう。
適切な情報源の選定
社史制作においては、情報の正確性が非常に重要です。誤った情報が混入すると、それが信頼性の低下を招くだけでなく、歴史の解釈を歪める可能性もあります。まず最初に、情報を集める情報源の選定が大切です。信頼できる情報源からのみ情報を得るようにしましょう。
次に、情報が収集された後は、それを複数の人が確認することが有効です。異なる視点からの検証により、情報の正確性を高めることが可能です。また、確認作業は時間をかけて行うことが重要です。急ぎすぎると見落としが生じやすくなるので、計画的に進めることを心掛けましょう。
事実を基にしたストーリーテリング
単に事実やデータを羅列するのではなく、それらを繋ぎ合わせて説得力のあるストーリーを構築することが重要です。
これにより、読者は企業の歴史に深く没頭し、企業の成果や挑戦、そして価値観をより深く理解することができます。ストーリーテリングは、読者の感情や共感を引き出し、社史を単なる記録から、インパクトのあるコンテンツへと昇華させる強力な手段となります。
企業秘密やプライバシーの保護
社史制作では、企業活動の詳細について語るため、企業秘密や個人のプライバシーに関わる情報を扱うことがあります。これらの情報は、適切に管理し、法令に則った形で利用する必要があります。
企業秘密については、社外に漏れると競争力を損なう可能性があるため、詳細については適度な抽象度で記述することを推奨します。個人のプライバシーについては、個人が特定できる情報は原則として公開しないようにしましょう。また、社員や関係者の証言を引用する場合も、その人物の了解を得てから利用することが重要です。
社史制作における外部の支援

社史制作は専門的な知識と手間がかかる作業です。そのため、自社だけでなく外部の専門家の支援を活用することも有効な手段となります。
その一方で、外部の支援を活用する際には、その選定にも注意が必要です。以下では、外部の支援を活用するメリットと、その選定にあたってのポイントについて解説します。
ポイント
- 社史制作会社の利用メリット
- 選定のポイント
社史制作会社の利用メリット
高品質
専門的な知識や技術を持つ社史制作会社を利用することで、高品質な社史が完成します。
社史制作には、企業の歴史をリサーチし、重要な情報を選び出し、魅力的にまとめるスキルが必要です。ブランドイメージの向上や、社員のモチベーションアップなどの利点もあります。
客観的な視点を取り入れられる
次に、専門家の目線での客観的な視点を取り入れられる点も大きなメリットです。
社内だけで制作すると、自社の良い点や達成した実績ばかりを前面に出すことが考えられますが、第三者の視点での評価やアドバイスにより、より客観的な内容となります。
効率的
さらに、時間的・経済的な効率も上がります。社史制作は手間と時間がかかる作業です。
社内で行う場合、他の業務が疎かになるリスクがありますが、専門家に任せることでそのリスクを軽減できます。
選定のポイント
経験と実績
社史制作会社を選定する際、最も大切なのは経験と実績です。
多くの企業の社史を手掛けてきた会社は、様々なケースを経験しており、そのノウハウを活かしてより良い社史を制作することができます。弊社が手掛けてきた社史制作やブランディングの事例についてはこちらをご参照ください。
コストパフォーマンス
次に、コストパフォーマンスも重要な選定ポイントとなります。高額な費用を支払っても、期待した品質の社史が得られなければ意味がありません。
予算と期待する品質をしっかりと照らし合わせ、最適な会社を選定することが大切です。
ブランド価値向上に寄与するか
最後に、社史制作を通じての企業のブランド価値の向上も念頭に置くべきです。社史は、企業の歴史や価値観を伝える大切なツールです。
適切な会社を選定し、ブランド価値の向上により効果的な社史制作を進めることで、企業のブランド価値を高めることが可能です。ブランド価値の重要性についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
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弊社では、豊富な実績をもとに、企業の強みを活かした社史制作から、ロゴデザイン/タグライン/Web/ムービー制作まで、包括的にサポートいたします。また、周年イベントの企画や実行についても、経験豊富なスタッフがサポートいたします。
社史制作の成功事例:トヨタ

日本の著名な企業であるトヨタ自動車の社史制作は、成功事例としてよく知られています。
トヨタは過去の成長、挫折、そしてストーリーを詳細に描き出し、自社のブランドイメージを高めるほか、企業文化の伝播にも一役買っています。
また、近年では多くの企業がデジタル化に取り組む中で、社史のデジタル化もまた一つの成功事例と言えます。Webサイト上で社史をインタラクティブに展示することで、視覚的な要素を活用し、ユーザーの興味を引きつける手法がとられています。
トヨタの歴史を綴ったWebサイト上の社史はこちら▶︎▶︎▶︎トヨタ自動車75年史
まとめ

社史制作は企業のアイデンティティを強化し、企業のブランディング、マーケティング、採用における重要な役割を果たします。それぞれの具体的な事例を通じて、その多大な利点を理解することができます。特に、社員のモチベーション向上、新たなマーケティングの手法、採用活動の強化がその主要な効果として挙げられます。
社史制作に取り組むことは時間とリソースを必要としますが、その投資は十分に価値あるものになるでしょう。
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